自民党の総裁選前の報道がたけなわですが、どうもマスコミだけが盛り上がっているのはいつものこと。
昨年の前半、コロナウイルスが拡大して、後手後手の対応に終始し、何一つ解決できずみじめに退陣した安倍政権のレガシーをどうするのか、その点が議論されていないようです。
アベノミクスと呼ばれた経済政策、実態はサプライサイド(供給側)に特化したもの。株式市場への公的資金による買い支えで企業の生産を支え、同時に金融緩和で対外的な円の価値観を減じて円安による輸出産業の振興を図りました。
巨大な工業国家として台頭した中国と比較して、衰退傾向が顕著な日本の工業力の延命には貢献したかもしれませんが、革新的な産業は登場しませんでした。
国内産業構造を維持する中で、数十年に及び据え置かれた日本の労働者の賃金水準では、十分な内需の拡大が出来ず、消費はインバウンドと称した海外からの旅行者・消費者に頼ざるを得ませんでした。特に観光分野は海外客ありきで存立していたようなもの。
株式市場の活況で見落とされていたのか、時代遅れの新自由主義経済を絵にかいたような状態であったのではないでしょうか。
中国大陸で発生し、全世界に広まったコロナウイルスの影響が日本にも及び、上に記した様なアベノミクスの虚構が崩れ去りました。アベノミクスは結果として、衰退した20世紀の産業構造を延命しただけで、これからの時代の経済と社会を提示できなかったことに尽きます。
自民党の総裁候補がパッとしないのは、個々の課題への回答に終始し、今世紀の日本が目指す方向性を具体的に語れていないからです。
日本が、再び、今世紀の世界を支える主要な産業の中心となり、そこに労働人口を集約すると共に、発展性のない経済構造から生じた所得格差を是正し、国民の大多数が前を向いて進んでいくためのグランドデザインを提示することが必要です。
夕暮れ時のスナップです。
夕日に向かう秋桜が風に揺らいでいます。傾いた日差しに夏の名残りがありました。


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